というわけで以下ネタばれ
単純にみて、泣けました。
シンジの葛藤や、アスカの苦悩、レイの心境の変化がふんだんに盛り込まれていて、今までのエヴァとは違うものとなっていました。まぁ、悪く言うとガイナック的な演出が多くなりました。それは特に後半に凝縮されているのですが、いささかやりすぎな演出があったと思います。宣伝も大々的に行ったサブカルチャとしてのエヴァから大衆向けのエヴァへの変化という点では正解なのだと思うのですが、後半の戦闘シーンに関してはもっとトーンを落としてもよかったのかもなぁと思います。
本当はべた褒めしたいです。アスカの心理描写がとても現代的なものに変わっていること。アスカがとってもキュートな演出できつさがぼかされていること。まぁとにかくアスカがかわいいんだ。(ぇ
まぁ、アスカとレイの描写がことごと古い時代とは変わっていること。それがいいことか悪いことかは瑣末な問題で、本当に受け取るべきは今回提示されたエヴァであり、これは古い時代の誰もを悩ませた混沌に満ちていたエヴァとは違う。あの行き場のなさとそれでも抗うしかない自己との拮抗のような詩的な世界観から、人から神へと昇華する神話的な世界観になってきています。エヴァというアニメ界の金字塔に求められている期待に対する回答としては、上等だと思います。
ただ着目したいのは、
なぜ物語はシフトしたのか?
なぜ大筋から変革を加えられたのか?
時間が流れて、要求されるものが変わったから?
それとも、これが本来の結末なのか?
エヴァの世界観を現代風にアレンジしなおしても、どうしても変えられなかったのは、"インターネットの導入"だと思う。携帯電話やノートPCがでてくるが、インターネットの存在は明らかにならない。彼らの世界にはそれがないと考えるのが自然だ。あの世界にはGoogleは生まれていない。mixiもブログもない。知識は本や口承で伝わるのだ。世界はつながっていないのだ。
なぜエヴァの結末は変わったのか?私の答えは、インターネットが生まれたからだ。この発明のせいで人類補完計画の結末は塗り替えられざるを得ないのだと思う。今すでに人々はつながっている。知識は共有されている。一つのネットワークを作り出している。ネットがない世界を、ネットがある世界の人が見ていながら、人類補完計画の結末を納得させるにはどうするのか?これに立ち向かうのか、それともこの問題を回避するのかは、これからの話だ。たぶんエヴァの新しい世界では人類補完計画は発動しない。あの結末はネットのない時代の孤立と取れる。ならば、結末はどうするのか。ハッピーエンドにしてしまうのか?
あと気になるのは、今回のエヴァはよく精神汚染されていると思う。なにかのメタファー?
と、難しいことも書いたけど、普通に見れば楽しめます。熱いです!
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